普段とは違う強引な行動に、私の頭はパニック状態。

そんな私なんてお構いなしに、先輩は私を、誰も通らないような、屋上へと続く階段へと引っ張っていった。

「せ、んぱ…ちょっと待って…」

先輩の走るスピードに合わせるように全力疾走したから息が…。

ぜぇぜぇと肩で息する私を、先輩はただ黙ってみていた。




やっと呼吸が整い、そういえばどうしてここに?と思って顔をあげると。

──ダンッ!

「……っ!!?」

寄りかかっていた後ろの壁が大きく音をたて、目の前には先輩の顔の度アップ。

驚いて声もでない私に、先輩はグイッとさらに顔を近づける。

綺麗な瞳がすぐ近くにあって、なんだか吸い込まれそうになる。