「未来さーん」

「あれー?佐伯先輩、また未来んとこ?」

「はい。一緒に帰りたいので」

またか…。

私は小さくため息をついてしまった。

その原因に違いない彼…、佐伯 千里センリがこちらに歩いてくる。

私は、そんな彼などお構いなしに荷物を持つ。

「未来さん、一緒に帰りませんか?」

「…なんでですか?」

「いつも言ってるじゃないですかー。
一緒に帰りたいからですよ♪」

先輩のくせに敬語。

そのうえ、弱そうな細い身体。

こんな人に、笑顔でそんなことを言われている私は佐々木 未来ミク。