強く握りしめた
手のひらから
溢れるさくらの花びら
あれはいつだったかな
君が最期に笑った
夢を観た

酷く冷たい
あの景色のなかで
微笑んだ眼は
もう塞がれてしまった
この生温い季節は
僕をさらっていくよ
君のいる世界へと
もう独りじゃないから
さあ泣かないで

さくらの日陰に
ぶらさがった身体が
少しだけ揺れた