私は橘まりか、高校2年生!


転勤の多い親の都合上、
私はこのK町に腰を据えよーと、
高校入学の時から1人暮らしをしてる。

二学期も半ばに差し掛かり…

今日は通ってるK商業高校の、
授業の一貫でファミレスで職場研修!

『いらっしゃいませー』
どこかぎこちない私の声が響き渡る。

(さ、次はドリンクバーの片付け!)

ドンッ!

『わ、すみません!』
お客様とぶつかってとっさに謝ると、



『まりか...ッ!!!』



私の名前を呼んで、
顔を赤くしながら、びっくりした様子で
口をおさえている男子高校生がいた。

(...誰!?)

わからないのをごまかして、にっこり会釈をする。

そして、ぶつかりと驚きで落ちた、彼の
ドリンクを片付け始めた。

『あっ、ごめん!』
手伝おうとする彼に、

『なにやってんだよ、悠樹!』
『つか、なに知り合い?』

奥のテーブルから彼の友達が話しかけてきた。

『うん!俺の幼馴染で…



婚約者!』



(はあッッ!?

なにソレ!
なにコイツ!)

彼の返答に騒いでるテーブル席をよそに
ムカつきながらも…

(悠樹[ゆうき]…

幼馴染…

あ、わかった!工藤兄弟!!)