由衣が駐車場に現れたのは、それから1時間後だった――


由衣は真っ暗な駐車場に、ポツリと投げ棄てられたゴミの様に横たわる私を、見下ろす様に立った。

そして冷笑を浮かべながら、私の頭を汚れた靴の裏で踏んだ。


「あははは!!
これで、全てが私の計画通りになった」

頭を踏みつける力が、一段と強くなった。


「あんたが記憶喪失だと聞いて、直ぐに思い付いたのよね。あんたを私の身代わりにする計画――

私が、あの4人を交通事故に見せかけて殺す様に依頼した。それをあんたの仕業にしようと、画策したの…

あんたは本当に、私の思い通りに動いてくれた」


由衣は頭から足を下ろすと、その場で夜空を見上げながら片足で一回転した。


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