意識が戻ると、私は自分の病室に寝かされていた。

左手に点滴の柔らかい管が繋がっていて、上体を起こそうとすると邪魔になった。


私は助かったらしい。
鎮痛剤が投与されているらしく、身体に痛みは無い。

あれから一体どうなったのだろう?


それから5分も経たない内に病室の扉が開き、若い看護師が入ってきた。

「あ、目が覚めたんですね」

慌てて扉を閉めると、それだけで出て行った。しかし、直ぐに廊下が騒がしくなり、扉が開いた。

そして、見た事も無い白衣を着た医師らしき中年男性が3人入って来た。


この人達は、一体何者だろう…

しかし、私の疑問は直ぐに解けた。医師らしき人達が、私に対して深々と頭を下げたのだ。

「この度は、当院の看護師長と看護師が大変御迷惑をお掛けし、申し訳ございませんでした。

つきましては、治療費等は全て無料に致しますので、どうか穏便に御願い致します――…」


.