赤い空




耳鳴りだけが、頭の中心へと激しい震動となって伝わり…

表現出来ない安堵感と充足感が、全身を電流の様に隅々まで走る。



気怠さの中、徐々に力が抜けていき、無意識に笑みがこぼれ…

騒然とする周囲に、時折混じる悲鳴が私を更に満足させていく。



やがて、
聞こえなくなり…

見えなくなった。



真っ暗な世界が始まる。



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