「できたぁ!!!」


部屋の壁の上部には折り紙の輪っかを繋げたもの。


部屋に入って正面に見える窓には『結婚おめでとう!』と、手書きの文字。


そしてガラステーブルの上には、青と赤のハート型の風船を膨らませて飾った。


その周りには、すでに料理も届いている。


「へぇ、案外いいじゃん」


そう言ったのは横に立っていた海都だった。


海都は作業中もずっと真剣に手伝ってくれて、時々ふざけて手を止めている2人を叱っていた。


やっぱり、海都は優しいんだ。


「ありがとう、海都」


「はぁ? なんで俺だけ呼び捨てなんだよ」


「だって、あたしたち同級生でしょ?」