あたしとママが七夕家に来た日の夜。


この豪邸の主である七夕制覇さんが仕事から帰って来た。


「ただいま」


出迎えたあたしとママにそう言って微笑みかける制覇さん。


制覇さんはすごく背が高く、少しだけ顎ヒゲを生やしているダンディなおじまさといった感じだ。


「2人とも、荷物の片づけは終わったかい?」


「えぇ。とても広い寝室で驚いたわ」


「君には少しでも楽な暮らしをさせてあげたい。今まで苦労してきているからね」


「まぁ……ありがとう。嬉しいわ」


ポッと頬を染めるママ。


どうやら、あたしはお邪魔みたい。