「それじゃ、やろう」

ファントムは銃を彼方に渡す。

「何これ」

「銃だよ?」

ファントムは言った。

「いや、わかるっつーの。何に使うんだよ」

「西部劇風に行こうよ。十数えて後ろを歩き、振り向き、撃つ」

「なるほど?シンプルでいいなー」

彼方は銃を握る。

「だろう?じゃ、やろう」

銃を持ったファントムは言った。

「―――あんたが相手?」

「そうだよ」

「よし」

「彼方くん、やる気?」

「やるしかないんだっつーの!」

彼方は銃を構える。

「カナは様になるね」

「常備してるし」

彼方は黒い拳銃を見せる。

「何気に物騒なものを―――持ってるの?」

「ナイフと拳銃は常備してるんだっつーの」