昔、まだ俺がなんの躊躇も無く
剣を振るえた頃
俺はルシフェルと初めて花街に来ていた
別に俺は此処に用は無かった。
ルシフェルが此処に用があるから
(強制的に)連れてこられただけ。


俺はルシフェルの用が終わるまで
一人で花街をブラブラとしていた。


サクリフェル『そう言えば…ベリアルはこの辺で働いてた…よな……』

仲間の一人が何故か花街の番頭をさせられている。
俺は軽く同情をしてやった。



此処には人間以外の者もいるようだ。
禍々しい気配が漂う。
それは俺を監視している。
何故?
俺は何もしていない筈だ
此処では、な…

そんなことを思いながら歩いていると
だいぶ向こうから人をかき分け走ってくる金髪の少女を見つける



番頭『待つんや、〝蝶姫〟!!』

ふと、聞き慣れた声に俺は驚く
その少女を追い掛けていたのは
俺の仲間であり家族である
ベリアルだった


ベリアルは俺に気付くとその少女を捕まえるよう、ジェスチャーしてくる

俺は仕方なしに少女を捕まえようと思った。

少女は俺の近くへ来ると
石に躓いて転けそうになる。
俺は少女が地面に堕ちる前に抱く。