午後3時。

ジリジリと照り付ける真夏の太陽。

風は生温く、じっとりと湿気を含んでいる。

僕は五階建てのマンションの最上階、一番右端の部屋の茶色い鉄製のドアの前に立った。

秀美のマンションはここだ。

急いで来たせいか、心臓は激しく脈打ち、呼吸は荒く乱れている。

僕は、大きく深呼吸し、呼吸を整えると、呼び鈴を鳴らした。

ピンポ~ン。

しばらく待つが返事が無い。

もう一度鳴らす。

ピンポ~ン。

再びしばらく待つがやはり返事は無かった。