-ちりんちりん
ポケットからぶら下がる鈴が鳴る。
足を一歩踏み出す度に小さく鳴る。
「はっはっはっは…っ!!」
小さく息切れするなんて
可愛らしいけど。
私は大きく口を開けて
酸素を吸って
二酸化炭素を吐いて
全力で坂道を駆け登っていた。
「んもお~!!なんなのよこの坂!!
意味わかんないんだけどおおおおお!!」
腰まで伸びた髪の毛を揺らし
私は走った。
あなたのいる、学校へ。
気づいたら走り出していた。
あなたの元へ。
あなたの胸元へ。
気づいたら
あなたの背中に
飛びつきたくなっていたんだ。
これは私の
最初で最後の
永遠の
必然的な運命な
胸から溢れ出しそうなほど
大きな、大きな、
わたしの恋の物語。