東雲さんはいつも一人


それはもうわかった


でもなんでこんなにも嫌われているのだろうか


俺にはさっぱりわからないんだけど


なんでだ?

「む〜」


やっぱり一人で本を読んでいる東雲さんを睨み気味に見つめながら唸っていると

うわさ好きの女子が話しかけてきた


「なに〜春陽くん、東雲さんに興味あるの〜?」

やたら語尾を伸ばす子だなぁ

「うん…なんであんなに嫌われてんのかなぁっと思ってさぁ」

そう言うと待ってましたとばかりに

周りにいた女子が彼女の噂を話し始めた

「あの子、気に入らない同級生を退学にしたらしいの〜」

「退学?」

「そうなの〜あの子のおばあちゃんってこの学校の理事長じゃない?それで、ムカついたとか言って追い出したんだって〜怖いよね〜」

へー
そんな噂が流れてんのか


でも、東雲さんはそんなことする感じじゃないんだけどなぁ

「それホントの話?」

なんだか信じられない

そう思って聞きかけした時

「本当よ」

明らかに後ろから声がした


質問した女の子じゃない

「東雲さん?!」