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「小松家は、まだ存在していたのか」





土蔵に戻ると、俺は唐突にそのような質問をしてしまった。


やはり気になったのだ。


小松家は、俺の両親に倒されてもなお、陰では鍛え続けていたのか、と。





「え……?」





だが芳乃は、戸惑いの色を表情に現す。


すぐに、俺は首を振った。





「……いや、何でもない。今のは忘れろ」





──芳乃。


何故、そんなに悲しそうな顔をしている?


何故泣きそうになっている?


お前は……何を、その小さな体に抱えている?


俺は、如何なる理由であったとしても、お前を受け止める。


だから……





「どこから来たのか、ちゃんと答えてみろ。証拠次第では信じる」