いたっ!

身体中に鈍痛がはしる。

そのおかげで僕は起きることになったわ

けだ。

隣には大きな壁らしきもの。

どうやら、ベッドから落ちてしまったら

しい。

「おいっ。いつまで寝てんだ。って、落 ちたのか?」

「なっ!兄さん。」

「しょうがない奴だな。それでも、俺の
弟か?」

「なんだよ…ただ落ちただけだろ。」

「わかった。早く降りてこいよ。」

悔しいけどその通りです兄さん。

我が父 トーレス フランソワ

親衛隊の隊長にして、この国一番といわ

れた早斬りの名手だ。

そして兄 ラックス フランソワ

父の才能を色濃く受け継いだ期待の新星

であり、訓練生として日々努力している



ルイス フランソワ

これが僕。だが、兄さんとは違い僕は才

能がない。どれだけ頑張っても、無駄だ

った。本当にダメな奴だなあ。

でも、いいんだ。立派な兄さんが居るか

ら。

「おいっ。早く降りてこい。」

「はい。」

てなわけで、僕は食事をしています。

今日は母さんが、スクランブルエッグマ

フィンを作ってくれた。

美味しい…。幸せだなあ。

「おいっ。食事中なんだからニヤニヤす
んな。不気味だぞ。」

「兄さんだって、食べ方が汚いじゃない

か。」

「なんだよ。文句あんのか!」

えっ。怒ってるよ…兄さんはこの頃ずっ

とこうだ。イライラしてる。

「ごめん。言い過ぎました。」

「まあ、そう言うのならいいけど。」