(愛美がかわいすぎてつらい)


 ある日の午前の授業中、千尋は窓から外の景色を眺めながらふとそう思った。

 いつもニコニコしながら俺の隣にいて、話を聞いてくれて、明るく元気で、――そして、小柄な身体なのに、俺を後ろから抱きしめてきた時、本当に理性がとんだ。

 アレは本当にヤバかった。

 “そういう”行為をされることに心に決めた愛美の目を見て、俺はなんとか自分をおさえたけれど。

 ……俺はもしかしたら、人並み以上にヘタレなのかもしれない。

 一線をこえてしまったら、愛美が傷付くんじゃないかって……。

 そう考えると怖くなって、理性はとんでいるはずなのに、身体が動かなくなってしまう。