「それにしても、いいもの見せてもらったわぁ…」

「ホントに……あれはかっこよすぎでしょ」

美波ちゃんと菜緒ちゃんの呟きを横で聞きながら、パソコン室へ向かう。

二人は昼休みのときの話をしている。

二人を含むクラスメート達をほっといて児玉くんと二人で教室を出ていき、しかも昼休みが終わる直前に教室に帰ってきたため、その話をするのが5限目の休み時間である今だった。

なんとなく、昼休みの事は思い出してしまうとまた変な気持ちがわいてきそうなので、触れてほしくない話題であったが、二人としては興味津々だったらしい。

「朝、学校来るときも、何で付き合う事になったのかみたいな話してたら、『俺がお願いし巻くったから』みたいなこと言われたんだけど、そのときの顔!思わず私がドキッとしちゃって、メールに逃げちゃったよ」

「いいなぁ~、沙菜。児玉くん、めっちゃカッコいいし、しかもあのとき、田神くんにジェラシー全開!って感じだったよね~」

「そうそう、俺の!って公言してたしね~」

「あはは…」

なんと言ったらいいかわからず、乾いた笑いで誤魔化す。