「近いうちに聴力が無くなっていく」

俺はその言葉に動揺する事も無く、
いや、今となっては頭の整理がついてなかっただけだけど。
隣で泣いている親とは真逆に

「あーそうですか。」

という他人事のような返事をしてしまったのを未だに鮮明に覚えている。

俺は河岸 叶斗(かわぎし かなと)。
クラスではまあ中心的存在だろう。
セットした髪に着崩した制服。
「見るからにヤンキー」っていう服装が嫌いだから黒髪でピアスは付けない。

これからも普通に学校行って、
授業も寝て時間過ごして、
放課後は友達と寄り道。

そんな学校生活がずっと続くと、
当たり前に思っていた俺なのに____