ピピピ、ピピピ、ピピガチャ

「ふわぁ……」

カーテンから柔らかな日射しがさしこんでいる朝。
一人のどこか大人びた可愛らしい少女が欠伸をしながら起きた。
あくまでも美人ではない。
大人びた可愛らしい少女ですよ。
その少女は身長は158と小さく、小柄。しかも、羨ましいことに雪のように白い肌をしていて、その頬にはピンクがほんのり色付いていて、林檎みたいに赤くどこか艶がある唇。睫毛も長く、女の子の憧れる容姿だ。
いわゆる容姿端麗だったりするんだよ。
漫画でしかあり得ないくらいの。
だか、本人は鈍感ではないのに、そんなことに一切気づかなかったりする。
そして、この少女は珍しく
―――地毛が金髪で瞳が桃色なのだ。
一度も染めたことのない腰まである金髪は透き通っていて、太陽の光に当てるとそれは美しく、なにより触りたくなるぐらいふわふわで、すこしくるっとうちまきになっている。
外人かと思えば外人のような彫りの深い顔でもない。
あえて言うが純日本人…のはず。
桃色の瞳もどこか優し儚くてそれでいてみすかれそうになる。普通はいやだと思うがこの子には別にいいと考えてしまう、不思議と暖かい瞳だ。

ただ、そう思うのはちゃんとこの子の瞳を見た人だけ。
何も知らない、何も分からない、周りに合わせている人たちは気付かない。
残酷なほどに。
ただ、その子は、“キモチワルイ“と言われたこともたくさんあった。
純粋に受け止めて傷ついた時も無かったとは言えない。
でも、おかあさんがそのたびに“大好き“と言ってくれたから、この容姿が大好きだった。
おかあさんのおかげで大好きでいれた。