俺は駅の改札口に立ち携帯を手に迷っていた。


このままここで待っていたとして、会えるという保証はない。


バイトの日かもしれない。


誰かと帰りに飲みに行く約束をしてるかもしれない。


真っ直ぐここを通り帰るという保証はない。


しかもこの人ゴミ。偶然見つけられたらそれは奇跡?


こんな事をウダウダ考えてる間に、電話すりゃいい事なんだけど…


どうも電話はかけづらい。


多分避けられているような気もしていたからだ。


あのバレンタインデー以来、ぱったりと姿を見せなくなった葵。


会えなくなって俺ははじめて自分の気持ちにきづかされた。


葵が好きだという事を。