「はぁ」



光流が屋上から去った後、その後ろ姿を見てうっとりしながらため息をつくバカが1人。



「おい、バカ女」



「え?バ、バカ……?」



「お前だよ、お前。服部萌絵」



バカ女は“げっ”という顔で俺を見た後、あからさまに嫌な顔をした。



「な、なんですか?昨日といい今日といい」



汚いものでも見るような目で俺を見上げるその顔。



生意気な女。


こいつを見てるとなんかムカつく。


思わず自分の素が出ちまう。



「昨日も言ったけど、いい加減諦めろよ」



「昨日も言いましたけど、そんなことはあなたに言われたくありません」