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「それでぇ、どうしてレミまで行かなきゃいけないの」

 白いレースのブラウスに水玉のスカートを合わせたガーリー・レミが、ぷくっと頬を膨らませる。

 うっすらメイクしていて長い髪はつやつやで、思わず見とれてしまう。

 レミはもともと可愛いけど、私服姿だと三割増だ。いや、三割どころか、可愛さ青天井だ。

 チェックのシャツにデニムのショートパンツというラフさに加えて、寝癖隠しのため飾り気のないシリコンのゴムで無造作に髪を束ねただけの私とは、住む世界が違う。

「セイも来てほしいって言ってたし、女の子がいた方がいいってみんなも言ってたし」

 なにより私がレミにいてほしい!

 祈りを捧げるように両手を握ると、彼女はため息をついた。

「……ちーちゃんは女の子として数えられてないの?」

「え、あれ……おや?」

「ああんもう、観たいテレビがあったのにぃ」

 口を尖らすレミの腕をすかさず掴んで、私は通りを歩き出した。


 待ち合わせ場所の駅前公園には、イケメン5人がすでに集合していた。