・ * : : 私と凪くんの家はお向かい同士だ。 凪くんは数年前にお母さんを亡くしていて、いまはおじさんとふたりで生活している。 おじさんはとても気さくでかっこいい。 幼いころは、よく遊んでもらったりしていた。 だけど先週から、おじさんは出張に出ていて、家には凪くんひとりだけ。 「凪くん凪くん!」 誰もいない自分の家に帰っていく凪くんを、私は思わず呼び止めた。 不思議そうにこちらを振り返る凪くん。