カランカラン



『いらっしゃいませー、あらー』



『…』



『何つったってるの、こっちきて、座りなさい。何飲む?』



『アイスコーヒー』



『了解。待っててよ』



私、梅田旬、通称梅ちゃん
今日は、待ち焦がれた客が来たわ



この時間に現れたってことは…、まだ、学校休んでるわね



でも、こうして外に出れたってことは、大きな一歩ね


『お待たせ、幸。はい、アイスコーヒー』



『…ありがとう』



なんか、痩せたわね

本当に、高校生が命掛けの恋愛しちゃって

見てるほうがせつなくなるわ



『…おいしぃ。梅ちゃんの煎れたコーヒーは最高だね』



『当たり前じゃない、いつも最高よ』


『…うん、そうだった』



しばらく、幸がコーヒーを飲みながら、ゆったりとした空間を楽しんでいた


何を話すわけでもなく、幸は黙って、コーヒーを飲んでいた



その間、予約の占いのお客さんや、喫茶のお客さんが来たりしてたけど、そろそろかしら?と思って、私は表に準備中の札をかけに行って戻って、私もコーヒーを煎れて幸の横に座ったわ