「おはよう、夕陽」 次の日。 教室に入ると、声をかけてくれた南雲くんに、クラスがざわっと騒がしくなる。 「え、今、名前で呼んだ…?」 「マジか!あの2人、本当に付き合ってるんだ…」 なんて声がしっかり聞こえて、私も「夕陽」って呼び方がくすぐったくて、恥ずかしくて。 「お、おはよう…」 どんどん語尾が小さくなって、そのまま俯いてしまった。 だめだ、まだ私には「絢星くん」なんて呼べない。