ケータイ小説 野いちご

祠の鬼

鬼の噂




「ねぇ、学園の祠の噂知ってる?」



静まり返った図書室で友達の沙夜から突然そんな事を言われ目を白黒させる。



本を借りに図書室へ来てから数分も経たないうちに沙夜が駆け込んで来た。一体何事かと思ったが、開口一番が学園にある祠のことだった。



花籠ありさは戸惑いながらも頷く。



「鬼が封じられてるんだよね……?」

「そうそう!本当かどうか試しに行ってみようよ、どうせタダの迷信だろうけど」

「え!?わ、わたしもいくの……?」

「あたりまえじゃん!私たち、友達でしょ」



当然のように沙夜が言い、ありさはとうとう断る事ができず頷いてしまった。



「ありさ大好き!やっぱり持つべきものは友達だよね〜あ、そうだ雨野くーん」



一度ありさに抱きついてから、カウンターにいるであろう同じクラスの女子から人気がある男子の元へ沙夜は行ってしまった。



内気な性格で誰にも声をかけられずにいたところ、お昼を一緒に食べようと声をかけてくれた以来、沙夜とはずっと一緒だ。



「……仕方ない、よね」



ありさは自分に言い聞かせるようにそう呟き、借りようとしてた本を一冊持って、カウンターへ向かう。




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