「ッひ…………!!!!

た、頼む………………ッッ!!!!!

いっ、命だけは助けてくれッッ!!!!!!」



そこにいたのは、血まみれで地面に

這いつくばり懇願する男と、

その男を何の表情も無く

見下ろす、苦無や手裏剣を持った女。









『……今更言うのは遅いです………。

その自分の愚かさを以(もっ)て、死んで罪を

償ってください………。』




そう言い、女は目の前にいる男を

一瞬で殺した。








──そう冷酷に殺したのは、

感情の無い無表情の女。


漆黒の腰まである髪をなびかせ、

何も映さないその瞳は美しい藍色。


そう、まるで夜空の闇のような。

そんな雰囲気をかもし出した瞳だった───。