キーンコーンカーンコーン──


「終わったー!!!」


退屈だった授業も終わり、私は帰る準備を始めた。


「ねー、夢希。
今日ショッピングでも行かない?」


「あ、いいね!行こ!!」


私の一番の親友である絵里の提案に私は食いついた。
私たちは鞄を持ち、教室を出た。


「もうさ、伊藤の授業ほんとダルいよねー…」


「あー。それわかる。
何言ってるか分からないし、
眠いしで最悪だよね。」


『キャーッ♡』


え…何この悲鳴…


いつも通り授業の愚痴をこぼしながら、学校の外に向かうと、女子たちが騒いでいた。


女子たちの視線をたどって門のところを見ると、美しい顔立ちの男の人。


『門に立っている人かっこよくない!?』


とか


『やばい!!こっち見た♡』


とか

そんな女子の黄色い声を聞きながら、私は対照的に顔を真っ青にしていた。


あの男は間違いなく、月夜だ……。