~帰り道~
「お疲れ様でした。」
いつも通り、17時に吹奏楽部が終わり暗くて寒い12月。
私は一人、帰る途中背中から激痛がはしった。
「いったーい!!」
涙目になりながら後ろを振り向くと、そこには幼なじみの蓮が笑っていた。
「なにすんのよ!!」
「ごめん、ごめん!一人で寂しそうだったから一緒に帰ろうかなって!」
…蓮はいつもこんな感じだ。
雪村 蓮。(ゆきむら れん)
私と同じ中学2年生のバスケ部。
そして幼なじみ。
…あと、世で言うイケメン。
私は黒澤 奈央。(くろさわ なお)
ごくごく普通の女子中学生。
部活は吹奏楽部でフルート兼ピッコロって言う楽器を吹いている。
人より違うことと言えば、極度の甘党で、普通のショートケーキにチョコレートを乗せたりして甘くしている。
「…だからって背中叩くな!!」
「だーからごめんって!」
「ココア買ってくれたら許す。」
「はいはい。」
蓮は笑いながら、途中に自動販売機を見つけたため、温かいココアを買ってくれた。