ゥイ~ンゥイ~ン


 鳴り響く、うるさい音で、目を開けた。


 目の前に見えたのは、白い服を着た男の人。


「大丈夫ですか!?」


 その男の人は、声を荒げている。


「…あの……」


 なんなの、この状況。


 周りを見渡した。



 すると、見覚えのある玄関が見えた。


 ここは、家……?


 そうか、あたし、ここで倒れたんだ。


 そして、目の前の男の人はきっと救急隊員の人。


「あたし、なんで運ばれてるんですか。」


「あぁ、小泉さんのお父さんが連絡をくれて。」


 救急隊員の人が、救急車に乗せながら言う。


「そうなんだ……」


「びっくりしましたよ。血だらけの娘が倒れてるって聞きましたので。でも、殴られてるようですね。痛いでしょ。」


「はい……」


「でも、少し待って下さい。病院で手当てを受けられますので。」


 そう言うと、救急隊員の人は、病院に電話をした。


 ズキズキと痛む体が辛い中、ふと、考えた。



 ……今、ものすごく先生に会いたい。


 今すぐ、先生に抱きしめてもらいたい。

 会いたいよぉ……