ピピピピッピピピピッ


 うるさく鳴り響く目覚まし時計で、目が覚める。


 あの後、泣きながら、家に走り帰った。

 家の中に入ると、お母さんの声をを無視して、部屋に入ってベットでまた泣いた。


 思ってたよりも、ずっと早くに泣いた。

 楽な恋が出来たら、どんなにいいのだろう。


 「うっわ、隈出来てるし。目も腫れてる。」


 一応起きて、洗面所で鏡を見た。

 昨日、制服のままで寝たし、目立たないメイクも取れかけで、ぐちゃぐちゃ。


 でも、この姿が今のあたしにはぴったりだ。


 ……学校、どうしよう。


 行ったらきっと、先生に会うことになる。


 昨日、女の人とキスしてた先生に。


 耐えられるかな……


 そんなこと考えながら、教壇に立つ先生を見られる……?

 もし、話すことになったら……?

 きっと、あの人に見せていた笑顔じゃない笑顔を平気な顔で見られる……?


 先生を思うたびに、あの映像を思い出して苦しくなっているのに。

 もし、顔を見たらきっと、泣いちゃう……



 あたしのお母さんは、休みたいと言えば、休ませてくれる。



 ただ、甘えたくない。


 でも……


 本気で悩みながら顔を洗った。


 よし!!


 顔を洗って少しすっきりした。


 今日は、きっと先生に会わない方が良い。


 苦しくなっちゃうから。