どっちつかずな女なまま、今年が終わった




年末は、はるがバイトをしている、佑樹の店の居酒屋で、お店の人達に私も混ぜてもらい、営業後の店で呑みおさめ&呑み始めをして、ワイワイ過ごした



はるは、今年は去年までと違い、正月もほとんどバイトにはいってるから、OLできっちり長期休暇のある私は退屈だ



だからといって、木葉にも会いづらいし、勿論家庭のあるさっちゃんには、会えるはずもなく、はるの勧めもあり、亘を誘って、初詣に行く事にした



はるの勧めってのが、亘からしたら、有り得ないらしいけど



『普通、彼氏が他の男と初詣行ってこいっていうか?夜から仕事なんだから、少々寝れなくてもはるが、一緒に行くべきだろ』



『はるは、昔からお参りとか、めんどくさい、一人で行ってきたら?って言うような男なの。私が余りにねだるから、亘なら大丈夫と思ったんじゃない?寝る間惜しんでパチンコにはいけるのにね』



『俺だって、絶対行きたいわけじゃねえけどよ。でも、年を越したって思えるから嫌いでもない』



『ねっ、亘のそういうの、はるよくわかってんだよ。今日は手をつないで、ラブラブでいこ』




『あほか。それは、今回の契約に入っておりませんので、致しかねます』



『亘のケチ』



『一緒に行ってくれてありがとうはあっても、ケチって言われる筋合いねーぞ。まぁ、でも、お前迷子になるから、俺の服の裾掴む許可は出してやるよ』



何だかんだ言って亘は優しい



亘が彼氏だと、口は悪いけど、本当に優しいから、彼女は幸せだな



亘に本当に真剣な相手出来たら、正直寂しいだろうな



こうして、一緒に初詣なんか行ってくれるわけないし…


でも、その気になればすぐ彼女なんてできるだろうに、亘から、本当に女に惚れた話を一回も聞いたことがない




『ねぇ、ねぇ、亘ってさあ………う…そ…』



『何?…どした?』



……さっちゃんに、会ってしまった