「じゃあ、刹のことよろしくね」 そう佐伯さんに頼まれて、私はリビングをあとにして2階へ向かった。 ……あんなに素敵な人がいるんだなぁ。 階段を上がりながら、私は佐伯さんの笑顔を思い出す。 いつか私も、あんな人と結婚したいな。 なーんて。 「……あ」 階段を上がりきると、 「……誰…?」 ダンボールを抱えた、黒髪の男の子がそこにいた。