あたしはまた自分の部屋に居た。
「はぁー…1人の方が落ち着く」
ーーコンコン。
ドアの向こうから佐藤の声が聴こえてきた。
《杏様、お食事の用意が出来ましたので居間に来てください。》
「わかった、今すぐ行く」
ほんとは行きたくないけどね。
だって…家族全員揃うんだよ?
ま、全員揃うか分からないけど…
なにせあたしの一家暗殺者だから。
兄さんとか姉さんもいない時がある。
あたしも1人で夕食食べた時もある。
人を殺した後のご飯ってあんまり喉にはいらないんだよね……。
居間に行くと、そこにいたのは姉さんと父さんと母さんだけだった。
多分、兄さんは仕事だと思う。
兄さんってあたしより仕事多い。
なんでだろうね……。
ま、別にいいけどさ。
これ以上、暗殺の仕事なんかしたくないもん。
「杏、遅かったじゃないか。
早く椅子に座りなさい。」
「はい。兄さん、仕事なの?」
「あぁ、そうだ。」
父さんはさも当然のような顔つきで言った。
最近の兄さんの仕事がやけに多い。
多分、あたしより多いんじゃないかな?
兄さんと父さん、一体なにを企んでいるの…?
う”〜…すごい気になる!
でも、家族内での詮索は駄目だったんだっけ?
あと…殺し合いも。