6月中旬。梅雨の時期だというのに例年より雨量は少なく、外では子供たちがはしゃぐ声が聞こえる日曜日の昼過ぎ。


あたし、東谷芹香(ヒガシタニ セリカ)は恋人である守屋怜央(モリヤ レオ)と一緒に自室でゲームを楽しんでいた。


あたしたち2人は明地高校の2年生、16歳。


そろそろ進路なんかを考えなきゃいけない時期。


だけど、あたしも怜央も高校を卒業したら地元の大学へ進学することが決まっているから、他の生徒たちに比べたら、のんびりと毎日を過ごしていた。


「うわ、お前ちょっとは手加減しろよ」