『はぁ、はぁはぁ。。。』

もう 走り続けて1時間。

校舎の中には笹原はいない。


授業サボってるんだし、
もしかしたら外なのかな?

そう思って窓から門を見てみた。


え!?


門から沢山の生徒が制服姿で出ていく。

『今日は午前中に学校終わる日だった。』

そのまま、私は走って外へ出た。

アイツが行きそうなところは全て回った。
でも一向にアイツの姿は見えない。


どうして。。。?

どこ行ったのよ?


あんな顔して出ていっちゃって。。。
もしかして本当に人殺したりしてない
でしょうね。。。


ふと会話が聞こえてきた。


『やっぱりこの世の中も危ないもんだねぇ』

『イキナリどうしたの?』

『さっき車と激突したんだよ!男の子が』


歩き出した足が止まる。

『え?交通事故?』

『いや、信号無視して飛び出してきた男の子に車があたったんだけど。。。救急車で運ばれたんだよね。』

『怖いー。。。てか、その子死んでないわけ?』


『あの!すみません!その男の子
何歳くらいでしたか?』

考える前に言葉が出てた。

『ええ?えーっと中学生くらいじゃないかな?でも背は小さかったよ。茶髪のー。。。』

笹原!?


『あ。。。ありがとうございました!』

タッタッタ


タッタッタ


笹原。。。笹原!!



確証なんてない。

もしかしたら違う子かもしれない。

でも 心のどこかが動いてる。


嫌な予感がするー。。。!!!



『着いた。。。』

無我夢中に走り続けて着いた場所は病院。

『あの!ここに中学生の茶髪で小さい男の子、笹原輝夜って人、救急車で運ばれませんでした?』

『あ、はい。先程応急処置が終わって今 病室で寝ていますが。。。』

良かった。。。


『お連れの方ですか?205号室ですよ。』

『あ、ありがとうございます!』




良かった。。。

〝205号室 笹原輝夜様〟

ここか。。。

前に立った時だった。


中から声がした。


『笹原、本当に面白いね!』

『木下もな?』

甲高い笑い声ー。。。


桃桜香と笹原は仲良さそうに笑っている。



何でー。。。?!


ツゥー

涙?これは涙?


どうして?アイツが桃桜香と笑いあってる事で涙が出るわけ?


アイツがモテるなんて分かってたじゃん。

それなのに。。。どうして!?


ドスッ


持っていたカバンを下に落とした時だった。

『え!?璃瑠?』

『花宮?!』

二人の声が聞こえて、私は逃げた。


ショックだったんだ。

きっとー。。。