『きょうつけーれい』

『ありがとうございました』

ガチャガチャ ザワザワ

1時間目の授業が終わっても笹原は帰ってこなかった。


『私のせいかも知れない。。。
私が転んだりしたから。。。』

『詩織里。。。』

こんな不安で震えた詩織里始めてみた。

『笹原なら大丈夫だよ!それに何で詩織里が
転んで笹原が怒らなきゃいけないの?』

『。。。璃瑠、気付いてるんでしょ?』

『何を?』

『この教室に、笹原と。。。相澤もいない事。』

そう。。。この教室には。。。

結城もいない。

でも机の上にはリュックが朝から置いてある。


つまり。。。登校してるって事。


『そんな事分かってるよ?』

『。。。。。。相澤と笹原、もしかしてー。。。』

ガララッ

詩織里の言葉をさえぎるように教室の扉が
開いた。

『花宮!ちょっと来て!』


目の下に大きなバンソーコーを貼った彼は。。。結城。。。

『え?な、何で!?』

私があたふたしてたら、結城は私の手をとって教室から出た。


気のせいかもしれないけど。。。



詩織里の悲しい目は、結城を見つめていた。


『ごめん。イキナリ呼び出して』

『ど、どうしたの?そのバンソーコーも。』


『。。。。。。好きだ。』



『花宮の事 好きなんだ』



ーーーーーーな。。。に?



好き?って言った?


『え。。。その。。。あ』

『俺は 白雪姫の王子になりたい。』

やばいよ。。。涙目だよ。
だって。。。結城が好きって。


私の事を好きだって。


『こんなイキナリじゃ返事なんか出来ない
よな。ごめん。』

『ま、待って!』

行こうとした結城の手を掴んだ。

『私も。。。

私もずーっと結城のこと好きだった。』


目が熱い。視界がぼやける。声が震える。


『。。。。。。めちゃくちゃ嬉しいわ』

そう言って結城は私の体を抱きしめた。


ツゥーっと涙が頬を流れる。



神様。。。ありがとうございます。
待ってたの。。。結城が好きだって言って
くれるのを。


しばらくすると結城は体を離して、

『そろそろ行こうか』

と言って手を出してくれた。


私は満面の笑みで手を出そうとした。


〝花宮!!〟


その声が頭に聞こえた。


笹原。。。?!



出そうとした手は胸の前で震えていた。


そうだ。アイツに伝えなきゃ。

私の恋を応援してくれたアイツに。


『ごめんなさい。。。先行ってて!』

『え?花宮。。。!!』

私は走り出してた。


そう、これこそ満面の笑みで。