『結城!ちょっと。。。いーかな?』

『いーけど。。。』

そう言って結城を廊下に呼び出した。

『ごめんなさい。。。本当にごめんなさい!!!私は 笹原が好きなの!この気持ちに気付いたのは昨日で。。。その。。。』

言葉が上手く出ない。。。

どうしよう。。。

ポン

『もういいよ。大丈夫』

結城は私の頭に手を乗せて笑った。

『え。。。?』

『分かってたよ。花宮が輝夜を好きな事。。。』

『ごめんなさい。。。』

『ありがとな。1日だけど、楽しかった!』

『好きだった。。。ずーっと好きだったよ!』

結城は振り返らないで手を振った。


バイバイ。。。私の初恋。。。4年間の片思い。。。


もうここで。。。白雪姫の結末は変わっていたのかもしれない。



今日はもう退院してるはずだよって
桃桜香が言ってた。。。


1週間後は文化祭。。。


アイツ、踊ってくれるかな?


そう思った時だった。

顔はきっとニヤけててキモかったと
思うけど。。。


『笹原!!』


窓の外に笹原がいた。


遅刻してきたんだー。。。

でも、来てくれて良かった!


私は全速力で階段を降りて下駄箱に走った。

『笹原!!!』

『花宮。。。』

『昨日はごめんね!話したいことがー。。。』

『もう いいよ』

『え。。。?』

『もう いいよ。結城とお幸せにな。白雪姫』




ショックで言葉すら出なかった。。。


何がもういいの?

結城とお幸せにな。って何なの?



笑ってくれると思ったのに。。。

笑顔で

〝花宮!〟


って言ってくれるって思ってたのにー。。。


私はその場で泣き崩れてしまった。



『璃瑠!!』

『詩織里。。。』

『桃桜香から聞いたよ。
本当はおめでとうって言いたかったけど。。。
ウチに会う前に別れて新しい人好きになってるなんて、話進めすぎ。』

優しい笑顔で頭をなでてくれる詩織里は。。。
まるでシンデレラだった。

『桃桜香も想い打ち明けたって言ってたから
ウチも言うね』

『え。。。?』

『相澤のこと気になってた。』

『ーーーっっ』

『デートした時助けてくれて。でも、璃瑠を
応援したくてあきらめた。
心の隅に片付けた。』

『私。。。最低だ。詩織里。。。』

『え。。。?』

『沢山応援してもらったのに。。。親友を
傷つけてばっかりだ。桃桜香も詩織里も。。。』

『ばーーか。』

ペシッ


『し、詩織里。。。?』

『傷ついてなんかないよ。
1番傷ついてるのは璃瑠じゃないの?』

『ーーっっ』

『そのままでいーの?笹原のこと。』


そうだ。。。


私は好きなんだよ。。。笹原のこと。

だから辛いんじゃん。。。


あきらめたらダメだ。。。!!!



『詩織里。。。私 あきらめない!
賭けをするよ。。。ー!』

『賭け。。。?』

『奇跡起こしてやる!』

この賭けを運命にする。



白雪姫じゃなくていい。

新しい 〝花宮璃瑠〟って言う白雪姫を
作ってやる。。。!


~輝夜side~


怖かった。


アイツが〝話したいこと〟は結城のことだ。
って分かっていたからー。。。


俺は卑怯だ。


本当に小人じゃねぇか。


もう。。。どうしたらいーんだよ!!