律side



―――ウラァァァァ!!


始まったか…


幹部たちとソファーに座っていると聞こえてくる喧嘩の声と鈍い音。


一応、念のために烈を行かせた。


さぁ、1時間で終わるかな…?








伊吹「俺も喧嘩したかった…」


起きたばっかりの伊吹は愚痴ってる。


『……俺が相手してやるよ』


伊吹「………いっ、いえ…またの機会に」


総長モードの俺に気付いて伊吹が震え上がる。

いや、そんなに青ざめなくても…
いっつも練習で俺と喧嘩してんじゃん。
ってか、俺だって喧嘩したかったわ!!



響「……下っぱ鍛えなきゃいけないんだよ」


伊吹「…んー、皆だいぶ強くなったよね」


奏「そりゃ、紅が一人一人鍛えてるしな」





そう、俺は下っぱたちを毎日のように鍛えている。



自分の身を自分で守れるように、
いつか…大切な人を守れるように。



俺は総長だけど250人全員を守りきることなんてできない。


危険はそこらじゅうに散らばっている。


学校にいるとき、
家に帰るとき、
一人で出掛けるとき、

全ては守れない。




だから皆を強くしたんだ。