「あ、今日あたし電話の日だった!」


部活中、球拾いをしていたあたしは思い出した。


マネージャーの仕事のひとつに、他校との練習試合を取り付ける作業がある。


あたしとさくら、そして1年のマネの里菜(リナ)ちゃんと当番制で行っているものだ。


「やだなー」


「ファイト~」


「んじゃ、行ってくるー」


コールドスプレーを握り締めているさくらに手を振り、あたしは昇降口脇にある公衆電話へと走った。


ノートにシャーペンにテレカ…これが電話を掛ける際の三種の神器。


カップルが堂々と手を繋ぎながら昇降口を出ていく姿を横目に見ながら、ボタンをプッシュする。