『モモちゃんのお兄ちゃんって
カッコいいけれどいつもクールだよね』


中学生のとき、友達に言われた言葉。

お兄ちゃんじゃないけれど

周りからしてもお兄ちゃんみたいなものだと思われていた。



「そうかなあ〜?」


私は小首を傾げる。

だって、全然クールじゃないもん。


『え、そうでしょ。
だってクールじゃん』

「違うちがう」


そんなことないんだなコレが。

ふふん、とドヤ顔で笑う。


修ちゃんがクールキャラだと言われるたび本当の修ちゃんを知っているのは私だけな気がしていた。



修ちゃんは昔から感情が
あまり表に出ない人だけど


ずっと隣で見てきたから微妙な変化で今なにを思っているか簡単に分かってしまう。



私にとってそれは立派な自慢であるし

なにより修ちゃんの笑顔を知っていたので内心誇らしげでいた。




だから、バカみたいにずっと修ちゃんの知らない顔なんてないって思ってた。