私はいつまでもあなたを思い続ける───






















──あなたと出会って今日で50年目ですね。



あの日、私達はまだウブな中学1年生でした。



入学式が終わり、席につくと、



私達は隣同士でしたね。



その時はまだまだ私達は相性が悪くて、



毎日口論ばかりしてました。



実際、今思えばそれも仲がいいという



証拠だったんでしょうね。



当然、当時の私はそんなこと



思ってもいませんでしたがw



私達のきっかけは確か、私の親友が



あなたに告白し、あなたの親友が私に告白する



という、何とも言えない奇跡のような



中でした。



お互い告白された時、



それぞれお互いの事を考えてしまい、



自分達の気持ちに気付いたんですよね。



『──あぁ、私(俺)は、あの人(あいつ)が



好きなのだと────』



そしてどちらからともなく自分の気持ちを



伝え合い、付き合うこととなりました。







それからは、本当に色々ありましたね。




しようもないあなたの嫉妬。




2人揃って公認カップルとされて写真を



撮られたり。



その後は同じ高校へ進んだり。



時には喧嘩もしたし。



ひどい時は私が不登校になったほどでした。



その時はあなたがわざわざ家まで来て、



部屋で土下座までしてくれました。



それからまた高校に行き始めたのを



よく覚えています。



それからは本当に幸せでした。



高校を卒業したと同時に、あなたは私に



プロポーズをしてくれました。



もちろん私はOKしました。





そして、結婚式までトントン拍子にすすみ、



明日が結婚式というその日。














────運命とは、酷く、残酷なものでした。














『──交通事故にあい、亡くなられた──』


















信じられなかった。



信じたくなかった。



あなたが、手の届かない場所へ……?



嘘ですよね?嘘だと言ってください。



そう言っても、どこからも返事は聞こえない。



私は泣き崩れる他なかった。












あなたの命日は、くしくも私の誕生日、



そして、結婚式の前日でした────。









私もあなたのあとを追って、



死のうかと思いました。






だけど。



あなたが残していた手紙が見つかったのです。






『俺は、お前のことを本当に愛している。


何となく、自分でも胸騒ぎがしたから、


お前に手紙を残したんだ、笑えるなw


これを読んでいるということは、


俺は───お前を残して死んだんだな。


まず、謝る。


───────一人にして、ごめん。


俺も、本当は死ぬのなら共に


死にたかった。


だか、やはり愛した女くらい、


守りたかった。


勝手に消えちまった俺を許してくれ。


それと。


これが、俺からの最後のプレゼントだ。


これを俺と思ってくれればそれでいい。


だからお前は俺の分まで幸せになれ。


それが俺の願いだ。


だけど、これだけは覚えてて欲しい。


俺は、どこにいても、どんな時も、




















お前を、想い続ける─────』


















手紙のなかには、ダイヤモンドの指輪が



2つ入ってた。




私は泣きながらそれを薬指と中指につけ、



泣き笑いをした。



















だけど、あなたの最後の願いは



聞き届けられない。




きっと、ううん、絶対に、




─────あなた以上に想える人なんて、



どこにもいない………………。









私は決心して、涙を拭った。











────私はいつまでもあなたを想い続ける。















出会って50年。



私も62歳となりました。



すっかりおばさんです。



今、私は癌にかかってしまってます。



既に末期です。



でも、不思議と怖くありません。



なぜなら、ようやくあなたの元へ行けるから。



随分待たせてしまいました。



ごめんなさいね。



ふと、視界が暗くなりました。



私は悟りました。






─────あぁ、あなたの元へ逝くのね、と。




そのまま、私の目は、覚めることは



ありませんでした。







『ここは、何処…………?』




まっ暗闇です。怖いです。




『──嗚呼、ようやく俺の元へ


来てくれたんだね───』



吃驚しました、振り向きました。



そこには、ずっとずっと恋焦がれた



あなたがいました。



私は迷わず抱きつきました。



そしてあなたも抱き返してくれます。




『『会いたかった───!!!』』




あらあら、重なってしまいましたね。



流石、私達はいつでも、




『私(俺)はいつまでもあなた(お前)を



想い続ける』





そんな二人だったからですかねww










END