1時間くらいして黒服が来た。

「蘭さん、ご指名です。」


「誰?」

と小声で聞く。


「藤川様です。」

と表情を変えずに告げられる。


内心『チッ』と舌打ちしながら、

「わかりました。山村さん、すみません、ちょっと長くなるかもしれないんですが…。」

と、他の子が必要かどうかの意味を込めて聞くと、

「大丈夫だよ。他の子はいいからね。男同士で盛り上がっておくよ。」

と柔らかい笑顔で言ってくれた。


4人に向かって挨拶し席を立った。