どれだけ泣き叫んでも、時間は紺を置いて進んでいく。
文化祭の翌日はみんなして涙し驚いたけれど、それでも現実は押し寄せてくる。
あたしは一応奨学生だし、成績を落とすわけにはいかない。
だんだん勉強に手一杯にもなってきた。
「……寒いなァ」
高校二年生が終わって一週間。
そして日付が変わって2時間。
紺がいなくなってから、夜更かしをすることが多くなった。
カーテンを閉めてしまえば、外に光は漏れない。
消灯時間を過ぎても勉強するようになったのは、ひょっとしてあたしは何かから逃げているのかも。
たとえば、夢で紺と会うこととか……。