9月1日。
あたし達はまぁ、なんというか……いつも通りだ。
「バッカじゃないの紺! 何で早く仕度してくれないわけ!?
もう始業式終わったら授業なんですけど!
新学期早々遅刻って何それ!」
「うっさいなァ。始業式あったおかげで授業には間に合うからいいだろ?
命拾い命拾い」
「遅刻には変わりない!
なんで男の癖に低血圧なの!?」
「うわぁ男女差別」
「今日は100パーセント紺に非があるんだからね!」
寮から教室への、誰もいない廊下。
あたしが彼を"紺"と呼ぶようになったこと以外は……全く夏休み前と変わりはない日常。
「アズ疲れた、おぶって」
「ふざけんな!!」