「楓子ちゃんのお弁当今日もかわいいね」

「うふふ、ありがとう」

「今日は何のキャラ?」

「まっくん」




…………誰だ。



楓子ちゃんはまっくんと言われたそのキャラクター(弁当)をはむはむと食べていく。


楓子ちゃんのお弁当は毎日キャラ弁で、とってもかわいい。
が、ちょいとマニアックすぎて分からないキャラクターの時もしばしば。



私のは普通のお弁当であり、普通におかずを摘まんで食べていく。



「想架ちゃん、呼ばれてるよ」



チーズで出来た目を食べながら楓子ちゃんが私に言う。


ドアの方を見ると、一人のマスクをした女子が私の方をジトーーーと見て立っていた。
怖すぎである。



半分も食べていないお弁当を一旦残し、その子のもとへ行く。





「あの、呼びました?」



上履きの色が同じなので同じ学年だということは分かっているけど、初対面なのでとりあえず敬語で話す。



「ええ」



返事をしたマスクの彼女はよく見るととても具合が悪そうだ。

血色がとても悪い。

しかも少し呼吸が乱れてる?




「あの、具合悪そうですけど、大丈夫ですか?」



そう、親切心で言ってみれば、鋭く睨まれてしまった。




「誰のせいだと思ってんのよ」

「え」

「あんたのせいよ…あんたのせいでこんなんなったのよ!」




声を荒げ出した彼女。


私にはなんのこっちゃよく分からない。