~空夜 side~

「はっ…」

苦しげに息を吐いた春輝が、突然ガバッと起き上がる。

頭を抱え、カタカタと震えだす。

そして。

「あああぁぁぁああ!!!」

「「「…っ!?」」」

叫び声とともに、ビリビリと伝わってくるのは、凄まじい殺気。

俺ら、王覇の幹部ですら圧倒されるほどの。



なんだ、こいつ…!?

普通の奴が出せる奴とか、そんなもんじゃねえ。

族の奴らでも、これほどの殺気をだせるやつはきっといない。

そして、その殺気はたぶんだが、俺らに向けられているもんじゃない。

じゃあ何に向けられているのか、と言われれば、答えらんねえけど。