「惟人様、ご気分は大丈夫ですか?」

莉笑は、目に隈ができぐったりとしている惟人に声をかける。

・・・・・・声をかけるだけで何もしていないのだが。


惟人は机にうなだれたまま、莉笑を見ずにもごもごと答える。

「全然大丈夫じゃねー・・・・・・っ。クソッ!」


急に顔を上げ、大きな声を出した惟人にビックリしつつ、まぁ、そうですねー、と相槌を打ちながら尋ねる。


「・・・・・・昨日、どうなされたんですか?惟人様」

「・・・・・・・・・・・・」


なかなか返事が返ってこない。


会話を交わせないと、暇でしょうがない。

四六時中立ちっぱなしで、足が疲れるだけ。

メイド業もそろそろ飽きたから、辞めることも考えていた。