電波と人の思いは、同じ「闇」に属している。

 思念は電波の中を永遠に彷徨い続け、決してこの世界から消える事はない。そして時折、重なり合った思念はある場所に渦を巻く。
 その塊は最も強い人間の思念である怨念に取り込まれる。

 怨念はそれを繰り返す事によりやがて形を持ち、ついには意思を持ち始める。その意思は闇の属性に従い、負の力を宿して更なる闇を呼び込もうとする。

 呼んでいる。

 聞こえてる?

 その声が耳に届く時、もう足に絡み付く運命を変える事は出来ない。

 思念となり、果てしなく彷徨うのか?
 怨霊となり、新しい闇を呼び込む存在となるのか?